第85回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)の復路(箱根・芦ノ湖→東京・大手町)が3日行われ、復路で優勝した東洋大学が復路も制し。初の総合優勝を成し遂げた。2位には一時トップに立った早稲田大学が入った。また日本体育大学や大東文化大学、明治大学など予選を通過し出場した大学がシード権を取り戻した。
その一方、昨年の覇者、駒澤大学は13位に終わり、伝統校の順天堂大学や東海大学も下位に沈みシード権を失うなど、戦国駅伝を象徴する結果となった。
【第85回箱根駅伝最終結果(次回シード権獲得校)】
1位 東洋大学(1)
2位 早稲田大学(2)
3位 日本体育大学(3)
4位 大東文化大学(9)
5位 中央学院大学(4)
6位 山梨学院大学(5)
7位 日本大学(8)
8位 明治大学(7)
9位 学連選抜(13)
10位 中央大学(11)
カッコ内の数字は往路の順位
【復路各区間状況】◎6区 東洋大学の富永、早稲田大の加藤両選手による鍔迫り合いが続く。途中、苦しい表情を見せた加藤選手が終盤追いつき、そのまま突き放してトップの座を奪う。区間賞はチームを6位に押し上げた大東大の佐藤選手が獲得した。
◎7区 早稲田大のルーキー八木選手がトップの座を守るも2位東洋大学の飛坂選手が差を縮めて次のランナーにタスキを繋ぐ。また学連選抜がシード圏内に入り、昨年の覇者駒澤大は上位に上がる気配なし。
◎8区 早稲田大が序盤トップの座を守るも徐々に東洋大千葉選手が差を詰めてトップに並ぶ。その後並走が続くが、遊行寺の坂付近で東洋大が早稲田を突き放しトップの座を奪い返して9区にタスキを繋ぐ。また、シード権争いが熾烈を極める。区間賞は駒大高林選手。昨年の覇者が息を吹き返すか。
◎9区 前半ペースを緩めた東洋大大津選手に対し早稲田朝日選手が猛追。一時10秒差に詰めるも、徐々にペースを上げた大津選手に追いつく事は出来ず、逆に差を広げた東洋大が、初優勝に一歩近づく。
◎10区 1位東洋大、2位早稲田は変わらず。早稲田の三戸選手が徐々に差を詰めるも逆転するには至らず、東洋大が初の総合優勝に輝く。注目のシード権争いは、学連選抜が東京農大を抜いてシード圏内に入ると中央大も抜いて9位に躍進する活躍を見せた。昨年の同大会経験メンバーを擁した駒澤大は13位に終わり、シード権を手放した。
<コメント> 近年、稀に見る戦国駅伝と言われた今年の箱根駅伝。予選会を通過し出場を果たした、かつての強豪日体大や大東文化大学が上位に食い込んだ一方で、昨年の覇者駒澤大や順天堂大学、東海大などが相次いでシード権外に落ちた事がそれを象徴し、そして今年も完走出来なかった大学があった事を含めて、シーズン終盤にベストな状態で挑む事がいかに難しいかを物語る結果となった。
復路のレースを振り返る。優勝争いを演じた東洋大と早稲田大は何度も首位交代を繰り返す見応えのあるレースだった。東洋大の勝因は7区で4年生の飛坂選手が差を詰める走りを見せ、それを見た8区〜10区の2年生が奮起し安定した走りをした事だろうか。特に9区の大津選手の、序盤追い上げる相手を引き付けて最後に突き放すと言う絶妙な駆け引きは見事だった。この大会の最優秀選手に輝いた「新・山の神」柏原選手の他、下級生が活躍した東洋大。上に書いた通り、怪我がつきものの長距離においてベストな状態でこの大会に臨むのは簡単な事ではないが、今回のような走りが出来れば暫く東洋大が学生駅伝を引っ張っていく存在となりそうだ。
一方、ライバルと目された駒澤大の失速で総合優勝の期待が膨らんだ早稲田大に勝利の女神が微笑む事は無かった。前回に引き続き山を下った加藤選手が苦悶の表情を浮かべながらトップを奪い返したが、後続がそれ維持する事は出来なかった。だが、ここ数年シード権争いに喘いでいたひ弱さは消え(竹澤選手の存在が大きいと思うが・・・。)、優勝を争えるチームに変わったのは確かである。今回活躍した1年生が順調に成長すれば、久し振りの優勝もそう遠くないような気がする。
健闘したと言えば学盟選抜。予選会の成績優秀選手が集まっているとは言え、最後に追い上げシード圏内に食い込んで次回予選会の通過枠を獲得した事は立派である。その一方で、昨年の覇者で今年の他の学生駅伝でも好成績を収めている駒澤大。往路が終わった時点で優勝の可能性はほぼ無くなったとは言え、シード圏内には入るだろうと思っていたのだが・・・。
年々優勝争い、そしてシード権争いが激しさを増す箱根駅伝。果たして東洋、早稲田の時代となるのか。それとも伝統校が復権し群雄割拠の時代が続くのか。86回目となる次回大会も人々の心を揺さぶるような走りを、そしてドラマがある事を期待したい。

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posted by スポーツ職人 at 04:55| 東京 ☀|
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