これで北京五輪に出場する12カ国が出揃った。オリンピックでは6カ国ずつ2組に分かれて1回戦総当たりの1次リーグを実施し、各組上位4カ国が準々決勝に進む。男女とも1次リーグの組み分け抽選は11日に北京で行われる。
【男子バレーボール北京五輪出場国】
中 国(開催国)
ブラジル、ロシア、ブルガリア(以上、2007年W杯上位3カ国)
アメリカ、セルビア、エジプト、ベネズエラ、日本(以上、各大陸予選通過国)
イタリア、ドイツ、ポーランド(以上、世界最終予選通過国)
<コメント>
「伝統」。世代間ギャップ等と言われ、この重みのある2文字が死語になりつつある昨今。しかしかつてお家芸と言われたバレーボールには、日本人の見方が変わらない限り、この先も付いて回る言葉である。
16年ぶりに五輪の扉がこじ開けられたので、今更「タラ」、「レバ」の話をしなくても良いのだが、もしこの大会でオリンピックの出場権が得られなければ、4年後のロンドン五輪に向けた各大会に出場する選手はオリンピックを知らない世代となっていた可能性が高い。(まさか荻野選手に40歳を過ぎて、なおプレーして欲しいと言うのは無理な話である。)日本男子バレーボールが正真正銘、世界から取り残されるかどうかの瀬戸際で、「伝統」は今回選ばれた12名に受け継がれた。(もしかしたら本番では選手が入れ替わる可能性もあるが・・・。)
それにしてもこの大会は初戦のイタリア戦は別として、2戦目からは、まさに神がかり的な勢いだった。最終結果6勝1敗。勝ち負けがそれまでの国際大会では数字が逆だった大会が多かった事を考えると、何かが取り付いていたのではと言う気さえした。
最近のオリンピックでは、どちらかと言うと個人競技の活躍が目立つが、個人的にはやはり団体競技、特にボール競技が出場してこそオリンピックは盛り上がると思っている。(小生、ボール競技をやっていた事もあるが・・・。)そのボール競技の内、野球、ソフトボールがオリンピックで実施されるのは北京が最後となる。今回、16年ぶりにオリンピックの舞台に男子バレーボールが復帰する事は1つでも多くの団体競技で日本の選手を目にする見る事が出来るという点で喜ばしい事である。
さて、昨日のアルゼンチン戦で「メダルを狙う。」と公言した植田監督。リップサービスも少しはあるだろうが、上の12カ国の顔ぶれを見るとどの国も生易しい相手ではない。北京五輪では、今回のような大声援の後押しは恐らくないだろう。今回の「勢い」が果たして実力となって繋がるのかどうか。出場するだけで終わってしまうオリンピックになるのか、それとも世界の強国に少しても迫り或いは追い抜くのか。その結論は、オリンピック開催までの2ヶ月間の過ごし方に懸かっている。

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〜スポーツナビ より〜
日本バレーボール協会は8日、北京五輪の1次リーグの組み合わせを発表し、開催国の中国は男女ともA組に入った。1月5日の世界ランキングを基に振り分けると、日本は男女とも中国とともにA組になる。11日に北京で対戦順などを正式に決める。
日本の男子はそのほか米国やブルガリア、イタリア、ベネズエラと同じ、女子はキューバや米国、ポーランド、ベネズエラと同組になった。
<コメント>
男女とも中国と同組。「完全アウエー」の中で戦わなくてはならない。オリンピック出場で沸く日本だが、この試練を乗り越えられるか。