また、注目の北京五輪代表争いは2007年大阪世界陸上6位の大崎悟史(NTT西日本)が、2時間8分36秒で日本人トップとなる3位に入り、北京五輪の代表入りに大きく近づいた。五輪代表の男女各3枠は10日の日本陸連理事会、評議員会で決まる。
<コメント>
北京行きのキップを懸けたびわ湖毎日マラソン。日本で最も古い歴史をもつレースだが、東京国際等、他の選考会に比べて地味な感じがする。
しかし今大会は、昨年の世界選手権銀メダリストのシャミなど有力な選手がエントリーし、五輪代表選考も兼ねるレースとあって例年以上に注目された。
レース内容は、外国人が先頭争いをしハイラップを刻む厳しい展開となった。そんな中、最後まで粘りのレースを見せたのが日本人最上位となった大崎選手。後半の粘りやタイムを考慮すると北京行きのチケットを獲得するのは間違いない。前回のアテネ五輪では、あと一歩のところで代表の座を逃しているだけに喜びもひとしおだろう。
これで男子の選考レースは全て終了した。五輪代表選考の都度、色んな意味で注目され泣き笑いのある女子と違い、男子の方は今回も波風立たずスンナリ決まりそうだ。順当なら世界選手権5位の尾方選手、福岡国際3位の佐藤、そして今回のレースで日本人最上位となった大崎選手が選ばれるだろう。
ただメダルが期待される女子と違って、声高らかにメダル獲得が最低限の目標と言えない状況なのは残念である。今回の各選考レースで優勝したのは全て外国人選手だった。女子の野口選手のように誰が見てもケチを付ける所がない、と言う強さを見せ付ける男子の選手が現れなかった所に世界との差を感じてしまう。もちろん、勝負事は何が起きるか分からないのだが・・・。
それはさて置き、理事会の行われる10日に「サクラサク」の吉報を受け取った選手が、オリンピック本番のレースでも良い走りをしてくれる事を期待したい。
一方、女子の方は実質残り1つの枠を争う戦いが続いている。9日に行われる名古屋国際女子マラソンで、シドニー五輪金メダリストの「あの人」が、北京行きのチケットを獲得する事が出来るか。世間の注目はむしろそちらに集まっている。果たして代表選考争いの結末やいかに・・・。

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