一方、この大会で世界選手権の切符獲得を目指した日本代表は既に予選リーグでの敗退が決定しており、世界選手権の出場権を逸した。7、8位決定戦で中国と対戦する。
【男子アジア選手権準決勝の結果】
韓 国 33−24 イラン
クウェート 32−29 サウンジアラビア
<コメント>
先月の今頃、「中東の笛」だとか「予選やり直し」などと騒がれたハンドボール。現在、再予選は無効と言うAHF(アジアハンドボール連盟)の訴えをCAS(スポーツ仲裁裁判所)が受理しその判断が委ねられている状況となっているが、そんな中、来年の世界選手権代表選考を兼ねたアジア選手権がイランで行われている。
今回の大会はIHF(国際ハンドボール連盟)の管理下で行われ、これで真のアジアチャンピオンが分かるだろう、と言う事で注目していたが決勝に進んだのは、例の疑惑の予選でトップ争いを演じた韓国とクウェートだった。
一方、この大会で好成績を収め、北京五輪の世界最終予選に向けて弾みをつけたかった日本代表は、韓国に惨敗した上に、世界選手権の代表を争う準決勝進出まで到達する事が出来なかった。選手は頑張っていると思うし、アジアでの実力差からすれば妥当な結果なのかも知れないが、あの異様とも言える盛り上がりを見せた代々木での夜の事を考えると、いささか寂しい結果である。公正なジャッジの下で行われた今回の結果で改めて、アジア各国との実力差、そして世界の壁はまだはるか先にあると言う事を思い知らされる事となった。それにしても、マスコミのアジア選手権の取り上げ方が、先月の再予選とは比較にならないほど小さいのにも驚く。
今回の結果を協会はどう受け止め、今後どのような強化策を見出すのだろうか。あの再予選の後実施されたあるアンケート結果で、今回のブームは一過性のもので終わってしまう、と言う意見が多かったと聞く。残念な事だが、現状のままではやはりその通りになってしまうだろう。やはりマイナースポーツがメジャーにのし上がる事は出来ないのだろうか。せっかく芽が出て育つ可能性があった灯火が消えてしまうような気がしてならない。

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