北京五輪代表の重要な選考材料となる柔道のフランス国際大会最終日は10日、当地で男女7階級が行われ、男子100キロ超級で注目の井上康生(綜合警備保障)は準決勝で昨年の世界選手権覇者のリネール(フランス)に敗れ、連覇を逃した。
井上は初戦の2回戦で一本勝ち、3回戦は判定で競り勝ち、4回戦は一本勝ちした。しかし、リネール戦は延長戦にもつれ、背負い投げにいったところを押し倒され、先に効果を奪われた。
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昨日取り上げた卓球の福原選手は既にオリンピック代表に内定しているが、柔道のシドニー五輪金メダリストの北京への道は、いよいよ崖っぷちに立たされた。
北京五輪へ向けてこの大会で復活を期していた井上選手だったが、昨年の世界選手権で敗れた相手に再び敗れ、続く3位決定戦も落とした事で、代表争いが最も厳しい重量級で大きく後退したと言っても良いだろう。
世界選手権終了後、一度決めた「引退」の2文字を封印し結婚して環境も変わったかつての柔道王。必勝を期して挑んだ今大会でそれを実行できなかった事は本人にとってかなりショックだったに違いない。
棟田、石井など有力候補がひしめく代表争いに踏みとどまる事が出来るか。それとも、集大成と決めている北京の地を踏む事すら出来ず表舞台から消えてしまうのか。柔道界を席巻してきた王者がいよいよ追いつめられた。

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