アーチェリーの世界選手権(7月、ドイツ・ライプチヒ)代表最終選考会最終日は13日、静岡県掛川市のつま恋グリーンスポーツ広場で行われ、五輪種目のリカーブ男子で、アテネ五輪銀メダリストで44歳の山本博(日体大教)は4位で補欠となり、同選手権14大会連続の代表入りはならなかった。
代表は男子がアテネ五輪代表の古川高晴(近大職)、2005年世界選手権2位の守屋龍一(ミキハウス)、天野良太(近大)。女子はシドニー五輪5位の北畠紗代子(ミキハウス)、今春の世界室内選手権優勝の早川浪(日体大)、桜沢明代(清瀬病院)となった。
全日本アーチェリー連盟は、今夏の世界選手権で北京五輪出場枠を獲得した選手を五輪代表に内定する方針のため、山本の五輪出場は厳しくなった。
<コメント>
世界最大のスポーツイベントであるオリンピックがいよいよ来年に迫ってきた。ソフトボール等、既に幾つかの競技で出場する事が内定となっている競技もあるが、いよいよ代表選考会が本格的に始まる時期となってきている。
そんな中、2004年のアテネ五輪で自身20年ぶりにメダル(銀メダル)を獲得し、一躍時の人となった「中年の星」山本選手の北京五輪への出場が極めて厳しい状況となった。この大会で4位となった選手にはアジア枠を懸けて争われる大陸選考会への出場権が与えられるが、その前に行われる世界選手権に出場する日本人が全てオリンピックの出場枠を獲得するとその時点で道が絶たれる事になる。
アーチェリーと言えば、過去オリンピックに何度も出場し入賞の経験もある大ベテラン松下和幹選手がいる。ちなみに今回の選考会にも出場している。世代交代が進みにくい事は別にして、他の競技と違い選手寿命が長いスポーツである。
試合後のインタビューで、既に北京は諦めたようなニュアンスをほのめかしている。その後の事は語っていない。今は結果を受け入れなければならない悔しさでいっぱいなのだろう。世代交代の必要性を感じこのまま現役を退くのか、北京の次を見据えるのか、それとも一度消えた炎を再び燃やし北京を目指すのか、その答えが出るのは世界選手権に出場する日本選手の結果次第と言う事になると思う。
ロサンゼルス五輪で銅、アネテ五輪で銀メダルを獲得し、世の中年に希望を与えた男は、この後どのような道を歩もうとしているのだろうか。

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