2着には7番人気のスクリーンヒーローが入り、1番人気に支持され連覇の期待が懸かったウオッカは3着に終わった。
【第140回天皇賞(秋)競走成績】
1着 △カンパニー 横山典弘 1分57秒2
2着 スクリーンヒーロー 北村宏司
3着 ◎ウオッカ 武 豊
4着 ×オウケンブルースリ 内田博幸
5着 ▲シンゲン 藤田伸二
<コメント>
昔の馬柱表記だと天皇賞を制したカンパニーの馬齢は9歳となる。
この歳で未だ現役である事が信じられないのに、GTのタイトルまで取ってしまうとは・・・。まさにアンビリーバブルである。しかも上がり3Fの32.9秒は馬齢を考えるとまさに人間の想像を越える鬼脚だった。
「変則2冠馬」キングカメハメハ、ディープインパクトに唯一土を付けた後、海外に飛び出したハーツクライ、幾つものGTタイトルを獲得したダイワメジャー。数々の歴戦を繰り広げてターフを去って行った名馬。全てカンパニーの同期である。馬も騎手も惜しいレースが続き、なかなかG1のタイトルに手が届かなかったが、毎日王冠で女傑ウオッカを破ったレースを見た勝利の女神が、更にご褒美をもたらした。遅まきながら上に書いた同期に肩を並べる時がついにやってきたと言えるだろうか。
そしてカンパニーの父であるミラクルアドマイヤは、既に廃用となり今はどこで何をしているのか不明だと言う。ロマンたる競馬はその反面、非情なスポーツでもあると言う事実もまた垣間見えたような気がする。
一方、1番人気に支持されながら期待に応える事が出来なかったウオッカ。本馬場入場で観客の近い所を悠然と歩みを進める姿は女王(王者)の風格と言うに相応しいシーンだった。それを見て誰もが勝利を信じて疑わなかった。
しかし「絶対」と言う2文字が存在しないのが競馬である。直線に入り、勝負所で待ち受けていた思わぬ壁。安田記念と同じような状況となったが、ようやく抜け出した時にカンパニーは戴冠ヘ向けてゴール板を駆け抜けようとしており、それを追うスクリーンヒーローを抜かす脚も残っていなかった。
上がり3F32.9秒と言う末脚を繰り出しながら、毎日王冠と同じ相手に勝てなかった事で陣営はかなりショックを受けているようだ。既定路線だったジャパンカップの他、今後のローテーションは白紙となった。今春の安田記念の後、来年も現役を続行すると明言した角居調教師からは引退を示唆するようなコメントも出た。33秒を切る脚を出せるとは言っても、昨年のレースと比べ走破タイムは遅くなっている。まだGT戦線で活躍する力は持っていると思う一方で、これまで並み居る牡馬をなで斬りにした「オーラ」が徐々に消えつつあるような気もする。
稀代の名牝の走りをターフで見る事はもう出来ないのだろうか。もう一度戻って来て再び輝きを取り戻して欲しいが・・・。

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