レースは最後の直線、内で逃げ粘るローレルゲレイロをビービーガルダンが外から強襲しほぼ同時に入線した。10分を超える長い写真判定の結果、ローレルゲレイロの鼻が僅かに残っていた。その差は1センチだった。
秋のGTシリーズ第2弾、秋華賞は10月18日京都競馬場で行われる。
【第43回スプリンターズステークス競走成績】
1着 △ローレルゲレイロ 藤田伸二 1分07秒5
2着 ○ビービーガルダン 安藤勝己
3着 △カノヤザクラ 小牧太
4着 アイルラヴァゲイン 津村明秀
5着 ◎アルティマトゥーレ 松岡正海
<コメント>
勝負事はどんな些細な要素でも、対決する者の間に差が生じた場合、白黒付けなければならない。非情ではあるが差を付ける事が勝負事の醍醐味でもある。
戦前から混戦必至と言われた今秋のスプリント王(女王)決定戦は、10分を超える長い写真判定の末、僅か鼻面1センチの差で春のスプリント王者に軍配が上がった。
テレビでレースの模様を見ていたが、あっという間に駆け抜けるサラブレッドがもたらす僅か1センチの差。肉眼でどちらが先にゴール板を通過したのか分かる筈もなく、その結果が出るのを固唾を飲んで見ていた。今朝買ったスポーツ紙に写真判定の結果が出ていたが、ローレルゲレイロの方が先に入っているのが辛うじて分かる程度だった。まさにミクロの争いだった。
G1レースでの僅差による決着と言えば、昨秋の天皇賞でのダイワスカーレット×ウオッカを始め、今回と同じスプリンターズSでのフラワーパーク×エイシンワシントン、有馬記念でのスペシャルウイーク×グラスワンダーなどの勝負が思い浮かぶが、今回のレースはそれらに匹敵する名勝負だったのではないだろうか。予想記事で16頭全てに優勝のチャンスがあると書いたが、4着以下も写真判定で順位が決まると言う、まさに「戦国スプリント王決定戦」を象徴するレース内容だった。
持ち前の粘り腰で後ろから迫って来た他馬を振り切り春秋連覇を果たしたローレルゲレイロ。苦しんだ末にGTタイトルを獲得した父を超えて2つ目のGTタイトルを獲得した。それとローレルゲレイロが所属する昆厩舎と言えば、先日ターフを去ったディープスカイが所属していた厩舎でもある。GT制覇の志半ばでターフを去った僚馬に捧げる優勝であると共にディープスカイに代わって厩舎を背負って立つ存在になったと言えるだろうか。
この後は年末に行われる香港のレースを目指すとの事。異国の地でどんなレースをするのか、今後が楽しみである。

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