現在、グループAで勝ち点13のオーストラリアに次いで勝ち点11で2位に付けている日本。3試合で勝ち点3を上げれば4大会連続のW杯出場決定となる。先日行われたキリン杯では、それまで得点を上げる事に四苦八苦していた攻撃陣が嘘のように機能し、2試合で合計8得点を上げた。チーム状態は上向いているように見える。
選手層が厚くなった事は収穫だったが、岡田監督などが言うように「親善試合」の出来が「国の威信を懸けた戦い」にそのまま当てはまるとは限らない。3位バーレーン以下との勝ち点差を見るとかなり有利な状況である事は確かだ。しかし、何が起きるか分からないのがW杯の予選。事実、残り3試合の対戦相手の内、この最終予選で勝った事があるのはカタールだけで、オーストラリア、ウズベキスタンとはホームで引き分けている。1997年のフランスW杯の予選では、中央アジアで生死を彷徨った経験を持つ指揮官。「勝って兜の緒を締めよ。」と言う事を伝えたかったのだろう。
最初の相手ウズベキスタンは、現在勝ち点4でバーレーンに次いで4位。プレーオフ進出の可能性を残しているだけに、そしてホームでの戦いとなるだけに日本よりも必死になってゴールを狙いに来るだろう。ベルギー戦のように簡単にサイドを明け渡すような事はしないと思われる。
1997年、九死に一生を得たタシケントで日本が4大会連続のW杯出場を決める事が出来るのか。それとも長旅の経由地である日本に持ち越しとなるのか。W杯出場を懸けた戦いはクライマックスを迎えようとしている。
【W杯アジア最終予選日程(日本関係分)】
6月 6日 ウズベキスタン (タシケント 23:00予定)
6月10日 カタール (横浜・日産 19:35予定)
6月17日 オーストラリア (メルボルン 19:20予定)
開始時刻は日本時間
【1997年 中央アジアでの苦闘】
1997年W杯フランス大会最終予選の3戦目となる韓国にホームで敗れた日本代表は4戦目のアウエー、カザフスタン戦(アルマトイ)でも終了間際の失点で勝利を逃し、試合後に加茂周監督が更迭された。
当時コーチから昇格した岡田新監督が、初采配を振ったのが5戦目となるタシケントのウズベキスタン戦。その初陣で日本は前半に失点しながら終了間際にパワープレーから同点に追い付いて1―1のドロー。首の皮一枚つながって、その後W杯初出場をつかんだ。

社会主義後のウズベキスタン―変わる国と揺れる人々の心 (アジアを見る眼)
- 作者: ティムール ダダバエフ
- 出版社/メーカー: アジア経済研究所
- 発売日: 2008/07
- メディア: 新書

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