大相撲の横綱朝青龍(モンゴル出身、高砂部屋)が秋場所10日目の23日から休場する可能性が出てきた。9日目の22日、安馬に敗れて4敗となり、師匠の高砂親方(元大関朝潮)は「本人は『もう少し考えさせてほしい』ということだった。最悪でも休場」と語った。23日朝に休場するかどうかを決めるという。
今場所の朝青龍は衰えが目立つ相撲内容で、進退も注目され始めていた。高砂親方は「横綱だろうが大関だろうが、まだ取りたいのであれば取らせてあげたい」と話した。
武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)は「きょうの相撲を見ていると、切れてしまった感じだ。(休場するなら)本人も覚悟して、けいこも含めしっかりやって出てくるだろう」と語り、今場所を途中休場した場合、来場所以降に進退が懸かるとの認識を示した。
<コメント>
ここ数年無類の強さを誇っていた横綱朝青龍。左腕の痛みの影響かそれとも他に原因があるのか分からないが、今場所は精彩を欠いている。
とにかく今年に入ってから、以前のような他の力士を寄せ付けなかった凄みと言うか「オーラ」のようなものが消え失せてしまった。場所前、意欲的に稽古に取り組んでいたと言われていた。既に力の衰えを感じておりそこから来る危機感があったのだろうか。それにも関わらず9日目を終了した時点で早くも4敗目。憎いまでの強さを知っているファンにとってこの成績は驚きであり、何より本人にとって信じ難い事だろう。
若くして相撲界のトップに立った男も今年で28歳。白鵬が横綱に昇進し「1人横綱」の重責から解放された事や仮病騒動が尾を引いている事が一因にあるとは思うのだが、年を重ね色んな事を経験し修羅場を潜り抜けてきた事で物事を受け入れる心を身に付けたのか、ここ最近の朝青龍を見ていると、何となく人間的に「丸く」なった感じがする。
スポーツに限ったことではないが、人間年を重ねると色んな意味で「丸く」なってしまう。それはストイックにその道を追及する格闘技を志す格闘家も例外ではない。言動で虚勢を張っていても、1対1で闘う姿を見ると次第にそれが滲み出てきてしまうのは残酷なスポーツなのかも知れない。しかし、一度滲み出た色を元通りにするのは並大抵の事ではないのもまた事実である。
さて、朝青龍が今日(23日)から休場する可能性があるとの事である。引退説も流れたが高砂親方は否定している。休場するとなると2場所連続での事であり、来場所はいよいよ進退を懸けた場所となる。朝青龍の心が今どこにあるのか知る由も無いのだが、横綱に昇進しておよそ5年。2005年には全場所制覇し、もはや敵は土俵の上にいないとまで言われ、また土俵の外でも良くも悪くも話題を提供し相撲界を盛り上げて来た平成の大横綱が正念場を迎えようとしている。
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