今秋のプロ野球ドラフト会議で注目される選手の一人、社会人野球・新日本石油ENEOSの田沢純一投手(22)が、米大リーグ挑戦の意向を持っていることが分かった。11日に記者会見して表明する。10日、関係者が明らかにした。
田沢は神奈川・横浜商大高出。150キロ台の速球を武器とする本格派右腕で、9日に終わった都市対抗野球でも大会4勝をマークするなど優勝に貢献し、橋戸賞(最優秀選手)に選ばれた。
<コメント>
日本でもメジャーリーグが身近な存在となった昨今、何れ日本のプロ野球を経ずにメジャーを目指す選手が現れると思っていたが、ついにその時がやって来た。今秋のドラフトの目玉だっただけに、日本のプロ野球関係者から見れば「やって来てしまった。」と言う表現の方が適切だろうか。
今までも直接アメリカに渡った選手はいたが、あくまでマイナー契約が前提でそこからメジャーに這い上がると言うパターンが多かった。確かジャイアンツの上原投手も大学卒業後にメジャー挑戦も視野に入れていたものの、当時日本の選手に対する評価の低さや周囲の説得もあり断念した経緯があったと記憶している。ドラフトの目玉となる選手が直接メジャーに行くと言うケースは今回が初めてとなる。田沢投手が海の向こうで、言葉の壁や文化、習慣の違いを乗り越えどんなピッチングを見せるのか、注目したい。
その一方で、将来球界の宝となり得る人材の流出を指をくわえながら見る格好となる日本のプロ野球界。まさに人気凋落の象徴的な出来事である。きちんと協定を結び、アマチュアの選手がメジャーへ流出するのを防ぐべきだ、と主張する球界関係者もいる。しかし、野球を志す者にとって、最終的にはメジャーで力を試したいと言う考えを持つのは、メジャーが遠い存在では無くなった今の時代、自然な流れである。制度によって選手の選択の自由を奪う事が果たして妥当なのだろうか。それより今のプロ野球が職場として魅力がないと選ぶ側から見られている現実を受け止め、どのような策を講じれば振り向いてくれるのか考えなければならない時期に来ていると思う。(とは言ってもそう簡単に解決策が見つかるような話ではないのも事実だが・・・。)
このままだと、日本のプロ野球を経てFAまで待って旬を過ぎてから海を渡るより、メジャーのスカウトから声が掛かれば直接行って力を試したい、と言う考えを持つ選手が(特に社会人や大学生)今後、増えるような気がする。「プロ野球存亡の危機」と言うのは大袈裟かも知れないが、ますます魅力を失って行くような気がしてならない。
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