24日開かれた日本オリンピック委員会(JOC)の理事会で、けがの治療や疲労回復に利用されている高圧酸素カプセルについて、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)の河野一郎理事長が、北京五輪の日本代表選手に使用の自粛を呼び掛けるよう訴えた。世界ドーピング(禁止薬物使用)防止規定で「酸素供給の人為的な促進」を禁じる項目があり、世界反ドーピング機関(WADA)の調査委員会などで、カプセルの使用はこれに該当するとの判断が示されているという。
これを受け、同五輪日本選手団の福田富昭団長は「対応を協議する」と話したが、特に五輪期間中は原則として使用を控えるよう指導する方針。
<コメント>
ドーピングと聞いて連想するのが興奮剤などの薬物や一般の薬に含まれる成分である。故にドーピングに検査に引っ掛からないようアスリートやその関係者は、健康管理には日頃から神経質なまでに細心の注意を払っている。(と思われる)
今回、使用自粛を打ち出した高圧酸素カプセルについては世界的に見ると対応がまちまちで、見解としてはいわゆる「グレーゾーン」の状態である。
2002年サッカーW杯でイングランド代表ベッカムが使用し、ケガからの驚異的な回復を見せた事で話題となり、その後ハンカチ王子こと斎藤祐樹投手(早大)が疲労回復で使用した事で一般に知れ渡った高圧酸素カプセル。それにしても、酸素の摂取にまでドーピングの目が光る時代になったかと改めて驚かされる。
昨今水泳界で話題になっている水着のレザーレーサなど、道具の進歩は目覚しいものがあるが、しかし肉体の限界を競うのがオリンピックだとすると、その趣旨からは少しかけ離れてしまっているような気もする。
機械や道具に振り回されている今回のオリンピック。恐らく北京五輪後もその傾向は続くだろう。その内、薬物に関するドーピング検査のように道具や機械にまで統一したルールの策定が必要な時代になるのかも知れない。オリンピックは道具の進歩によって、新たな転換期を迎えようとしている。

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