レースは、ルメール騎手騎乗のウオッカが好位でレースを進め最後の直線で早めに抜け出すと、強烈な末脚を繰り出し追いすがったオウケンブルースリを僅か2センチ差でかわした。また、3着には秋華賞を制したレッドディザイア(牝3歳)が入り、今年のジャパンカップは牝馬の活躍が目立つ結果となった。
尚、優勝したウオッカはレース後、鼻出血を発症している事が判明した。規定により1カ月の出走停止となる為、有馬記念を含め年内のレースに出走する事が不可能となった。これがラストランとなるのか。今後の動向から目が離せない。
【第29回ジャパンカップ競走成績】
1着 × ウオッカ ルメール 2分222秒4
2着 ◎ オウケンブルースリ 内田博幸
3着 △ レッドディザイア 四位洋文
4着 △ コンデュイット ムーア
5着 エアシェイディ 後藤浩輝
<コメント>
春はG1タイトルを2つ獲得し女王の座を確固たるものにしたウオッカ。しかし、秋に入って逃げてはかわされ、追っかけては届かずと惜しいレースが続いた。天皇賞の走りを見る限り、決して衰え始めているとは思えなかったが、もう勝てないのではないか。天皇賞のレース後、陣営から発せられた即引退とも受け取れるコメントを聞いてそう思ったファンもいたに違いない。
そんな中、今度こそ負けてはいけないと言う重圧が押し寄せる中で迎えたこのレース。だが、1番人気に支持されファンもそして勝利の女神も彼女を見捨てる事はなかった。
脚質に幅が出て来た事で乗り方が難しくなったウオッカ。新パートナーとして迎えられたフランスの名手は、どんな手綱さばきを見せるのか注目が集まったが、天皇賞とは真逆に近い先行策だった。最後の直線でいち早く抜け出して他馬を突き放しにかかると、後方から猛追してきたオウケンブルースリを振り切り、伝説に新たな1ページを加えた。いや、もしかしたらこれが最後の1ページになるかも知れない。
一方、ハナ差届かなかったオウケンブルースリは、メンバー最速の上がりタイムを叩き出したが及ばなかった。惜しまれるのはレース後、内田騎手等も語っていたように4コーナーで外に出した時に下がってしまった事だろうか。ただ最後は僅か2センチの差。いずれ近い内に大きなレースでタイトルを獲得すると言う期待を抱かせる走りだった。
さて、ウオッカの話に戻るとマスコミ等で報道されている通り、年内はレースに出る事が出来ない。まだ第一線で活躍出来るような気がする反面、この後、第2のウオッカを生み出すと言う大事な仕事が残されている事を考えると、もう勝たなければいけない重圧から解放させてあげても良いような気がする。府中で始まった伝説は府中で完結してこそ絵になると思う。果たしてオーナー始め関係者がどんな結論を出すのか。
どちらにしても現時点で1つ言える事は、このレースが彼女にとって今年のラストランになったと言う事なのである。
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