2009年10月26日

父子制覇に「Blood Sports」の真髄を見た牡馬クラシックレース最終章!!  【競 馬  第70回菊花賞結果】

  3歳牡馬クラシックレースの最後を飾る競馬の第70回菊花賞が25日、京都競馬場芝3,000mで行われ、8番人気のスリーロールスが最後の直線で抜け出すと、内から迫るフォゲッタブルを振り切り、クラシック最後の一冠を獲得した。2着にはフォゲッタブルが入り、ダンスインザダーク産駒のワンツーフィニッシュとなった。手綱を取ったデビュー3年目の浜中騎手は初のGTタイトル獲得。このレースを制したダンスインザダークとの父子制覇は史上9組目。今年のクラシックレースは3レースとも父子制覇と言う事になった。

  一方1番人気に支持されたリーチザクラウンはゴール直前まで逃げ粘ったが5着に敗れ、皐月賞馬アンライバルドも見せ場無く15着。春の実績馬が菊の舞台で主役を演じる事は出来なかった。


【第70回菊花賞競走成績】
1着  スリーロールス   浜中俊   3分03秒5
2着 ▲フォゲッタブル   吉田隼人
3着  セイウンワンダー  福永祐一
4着 △イコピコ      四位洋文
5着 ◎リーチザクラウン  武 豊

<コメント>
  昨年の今頃、後に「伝説の新馬戦」と謳われたレースがあった。そのレースを制したのは皐月賞を制したアンライバルド、2着がリーチザクラウン、3着がブエナビスタ。この3頭は、その後GT戦線で中心的な存在となり、内2頭はGTのタイトルホルダーとなった。そしてこの3頭に続いたのが、菊の舞台で主役となったスリーロールスである。

  親から子へ受け継がれる世代の系譜。競馬は「Blood Sports」と言われ、血統を追う事も醍醐味の1つである。かつて菊花賞などの長距離レースは、その血統の影響が最も色濃く出ていた。長距離に強かったメジロ一族、リアルシャダイ等…。

  しかし、稀代の大種牡馬サンデーサイレンスの登場によりスタミナよりもスピードがもてはやされる時代へと移り変わった。スローペースの上がり勝負と言う展開が増えて来た事もあり、菊花賞でも以前ほど血統が重要なファクターではなくなって来た。

  今回の1、2着馬の父は十数年前にこのレースを制したダンスインザダーク。更に菊の舞台で主役となったスリーローマンは母系からブライアンズタイムの血を受け継いでいる。ブライアンズタイムと言えばナリタブライアンやマヤノトップガンなど長距離レースで活躍した馬を輩出している。まさに「菊花賞仕様」の血統と言えるのではないだろうか。
  また2着に入ったフォゲッタブルの母は、並み居る牡馬を向こうに回し伝統の天皇賞を制したエアグルーヴ。久々に血統のロマンを堪能したレースだった。

  そして晴れてGTジョッキーとなった浜中騎手。勝利ジョッキーインタビューでの受け答えが初々しかった。ゴール前でヨレタ馬をコントロール出来なかったのは少々いただけない気もするが、今後の活躍に期待したい。

  さて、上に書いた伝説のレースの面々で唯一、タイトルを獲得していないリーチザクラウン。是が非でもこのレースを取ると意気込んだ陣営だったが、レース前から発汗が目立ちイレ込んでいた。それでもマイペースで逃げて最後まで見せ場を作った。最後は息切れで後退したが、能力の片鱗は見せた。この馬にとって今回の距離は長かったような気がする。今後の成長次第だが、何れGTを獲る器だと改めて思った。
 橋口調教師と武豊騎手のコンビと言えばダンスインザダークで獲った菊花賞だが、それにしても目の前でその子供に悲願だった最後の一冠をさらわれるとは、何とも皮肉な出来事である。
  
  今年の3歳牡馬のクラシックレースは全て父子制覇となった。この後も、血統のロマンが感じ取れるようなレースが見られればと思う。








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posted by スポーツ職人 at 23:53| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(16) | 競馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする