6月に全国のトップを切って沖縄で開幕した地方予選はその後、北海道、福岡などで既に始まっている。これまでは新聞の片隅に掲載されていた試合結果も来週辺りから紙面に大きく取り上げられるだろう。今春行なわれた選抜大会では東北勢の活躍が注目を集めたが、高校球児、特に3年生にとっては集大成となる夏の大会。果たして各地でどんなドラマが繰り広げられるのだろうか。
そこで毎年の事ではあるが、今年も各地方予選の展望や状況等を紹介して行きたい。第1回目は、例年私学勢が幅を利かせている北海道・東北地区を紹介する。
◎南北北海道
昨夏代表…北海(南北海道)、駒大岩見沢(北北海道)
既に各支部予選が終了し、南北それぞれ16校に絞られた。
南北海道は、春の道大会を制した立命館慶祥、昨夏代表の北海が共に札幌支部予選で姿を消す波乱があった。春の道大会準優勝の北照が有力と思われるが絶対的な存在とは言えず、本命不在の混戦が予想される。選抜大会の後、調子を落としながらも支部予選を勝ち抜いた鵡川、復権を目指す駒大苫小牧の他、予選で立命館慶祥を破り勢いに乗る札幌丘珠や進学校の札幌北と言った公立勢ががどこまで迫れるか。
一方北北海道は昨年の優勝校、駒大岩見沢を旭川勢が追う展開か。
◎青 森
・昨夏代表…青森山田
・今大会シード校…光星学院、弘前学院聖愛など
プロ注目の好投手下沖投手を擁する光星学院が中心か。光星は下沖投手の他、選抜大会でもマウンドに上がった六埜投手等、投手陣が充実しており心強い。ここ数年、青森山田の高い壁に阻まれ続けてきたが今年はその壁を崩すチャンスと言えそうだ。
その青森山田は春の大会地区予選で敗退しこの夏はノーシード。もともと戦力は揃っているだけに春のショックをどこまで払拭出来ているかがポイント。第2シードの聖愛と当たる2回戦が大きなヤマとなるだろう。他には春の東北大会で好投した向投手擁する八戸西が1996年の弘前実以来の公立勢出場を目指す。
◎岩 手
・昨夏代表…盛岡大付
・今大会シード校…花巻東、一関学院など
センバツ準優勝、今秋のドラフトの目玉になるであろう菊池投手擁する花巻東を軸に「もう一人の」菊池投手など好投手揃う一関学院、春の東北大会を制した昨年のチャンピオン盛岡大付など、私学勢が例年以上にレベルの高い優勝争いを展開するだろう。春の県大会で躍進を遂げた、岩泉、中学時代に全国大会を制したメンバーが最終学年を迎えた福岡と言った公立勢が私学の厚い壁を打ち破る事が出来るか。
◎秋 田
・昨夏代表…本 荘
・今大会シード校…秋田商、秋田中央など
全国的にも数少ない「公立勢優勢」の秋田県。昨秋、今春の県大会で上位に進出した秋田中央や古豪秋田商を始め、昨夏代表の本荘、明桜など混戦模様。
◎宮 城
・昨夏代表…仙台育英
・今大会シード校…東北、仙台育英など
優勝争いは例年通り東北と大会4連覇を目指す仙台育英が中心に展開されると思われるが、センバツで旋風を巻き起こした利府や春の県大会予選で仙台育英を破った仙台商など後を追うチームとの差は例年ほどないように思える。展開次第で2強以外にもチャンスが出てきそうな気がする。仙台育英のヤマには仙台商を始め、投手力がある東陵や仙台一もおり激戦が予想される。
◎山 形
・昨夏代表…酒田南
・今大会シード校…羽黒、酒田南など
昨夏代表の酒田南、攻撃力のある羽黒、2年ぶりの出場を目指す日大山形など今年も私学勢の優位は動きそうにない。春の大会で躍進した高畠などの公立勢がそれらの壁を崩せるか。
◎福 島
・昨夏代表…聖光学院
・今大会シード校…聖光学院、白河など
大会3連覇を目指す聖光学院は、昨夏経験者を多く残しており抜きん出た存在。日大東北、学法石川などの甲子園を経験した事のある私学勢に今大会第2シードの白河や昨年の雪辱を期す郡山商と言った公立勢がどこまで迫るか。
次回は関東地区の状況などを紹介する。
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