2着には逃げ粘ったリーチザクラウンが入り、皐月賞1、2番人気に支持されながら期待を裏切った馬のワンツーフィニッシュという結果になった。
一方、2冠獲得の期待が懸かった1番人気のアンライバルドは渋った馬場の影響もあってか見せ場なく敗れ、皐月賞で上位に入った馬もことごとく馬群に沈んだ。
【第76回東京優駿競走成績】
1着 △ロジユニヴァース 横山 典弘 2分33秒7
2着 ◎リーチザクラウン 武 豊
3着 アントニオバローズ 角田 晃一
4着 △ナカヤマフェスタ 蛯名 正義
5着 ○アプレザンレーヴ 内田 博幸
<コメント>
今年の競馬の祭典は馬場状態が明暗を分ける結果となった。あそこまで急激に天気が悪くなるとは予想出来なかった。現に多摩北部にある我が家の周辺は昼間、ぱらつく程度しか降っていなかった。秋の天皇賞では「魔物が棲む」と言われているが、まさかこの時期から府中の森に棲みつくとは・・・。厄介な魔物である。
さて、「最も運がある馬が勝つ。」と言われる日本ダービー。「渋った馬場」を味方に付ける事が出来たか否かで明暗が分かれる結果となった今回のレース。1番人気に支持されたアンライバルドにとっては後方から行く脚質、渋った馬場とこの馬に味方する要素がなかった。切れる脚は泥んこと化した馬場に封じ込まれ、まさに不運としか言いようがない状況だった。
勝ったロジユニヴァースは前走から馬体を戻し、力を出し切れる状態だったのだろう。良く考えればダービーへの登竜門と言われる昨年暮れのラジオNIKKEI杯、そしてダービーとの関係が深い弥生賞を制している馬である。「ダービー馬」の称号を得る資格は十分にあった訳である。時計の掛かる馬場、そして先行馬有利な展開も味方し、アンライバルドとは対照的にツキがあった今回のレースだったと言えるだろう。
同じ父を持つアンライバルドと春のクラシックを分け合った同馬。父の跡目を継ぐ争いは秋に行われる最後の1冠までお預けとなった。
そして2着に入った本紙本命のリーチザクラウン。ジョーカプチーノが暴走気味に飛ばしたものの2番手に付けたこの馬が事実上、レースの鍵を握っていたと言っても過言ではない。やはり、単騎で逃げて折り合いが付けば、最後にしぶとい脚を持っている。それを実証するレースとなった。そしてこの馬も時計の掛かる馬場が味方したといえるだろうか。それにしてもゴール前で良く粘った。やはり地力があると言う事なのだろう。
今年のクラシック戦線で3強と言われたアンライバルド、ロジユニヴァース、リーチザクラウン。皐月賞では1頭だけが笑い、ダービーでは皐月賞で泣いた2頭が逆襲した。ひと夏越してどのように成長してターフに戻って来るのか。そして、それ以外の馬がこの3強に割って入る事が出来るのか。クラシック最終章まで目が離せない。

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