A組で浦和と対戦した広島は佐藤寿ゴールで先制しそのまま逃げ切った。Jリーグ公式戦で広島が浦和に勝ったのは10年ぶりの事である。この他大宮が新潟を2−1で下し、磐田と横浜FMはスコアレスドローに終わった。
またB組では、雪の降りしきる中で行われた山形と京都の1戦は山形が3−1で京都を下した。この他柏が3−1でFC東京を下し、千葉と神戸の試合は1−1の引き分けに終わった。
ヤマザキナビスコカップは、予選シードとなったACL出場4チームを除く14チームを2組に分けてホーム&アウエー方式のリーグ戦を行い、各組上位2チームとシードされた4チームが決勝トーナメントに進出する。
【第1節試合結果】
◎A組
大 宮 2 - 1 新 潟
磐 田 0 - 0 横浜FM
広 島 1 - 0 浦 和
◎B組
山 形 3−1 京 都
柏 3−1 FC東京
神 戸 1−1 千 葉
<コメント>
Jリーグを現行の「春秋制」からヨーロッパと同じ「秋春制」にすべきと言う議論が最近行われている。推進派の日本サッカー協会の犬飼会長と反対の立場を取っているJリーグの鬼武チェアマンの名から「犬鬼戦争」などと書き立てているマスコミもある。
秋春制にすれば世界の主流であるヨーロッパのクラブへの移籍がスムーズになる。1月の移籍市場が開かれた時に移るのは、向うがシーズン中と言う事もあり選手にとってはリスクが大きい。移籍出来たのは良いが、既に固まっているチームコンセプトに合わずに最悪の場合、ベンチを温めるだけでシーズンが終わってしまう可能性すらある。欧州がシーズンオフの時に移籍するにはJリーグのチームを途中で抜け出さなければならずクラブにとっては損失となる。
ヨーロッパと足並みを揃えればそのような事は無くなり選手にとってもクラブにとってもスムーズに事が運ぶだろう。また、シーズンオフを迎える野球のファンを取り込む事も出来て、メジャースポーツの共生と言う意味でもメリットがある。
だが、日本の気候を考えると特に雪の多い地域はインフラの整備や練習施設の確保などハンデを負う事になり、選手のパフォーマンスにも影響を及ぼす可能性がある。昨日(25日)行われたナビスコ予選の山形×京都、Jリーグの山形×名古屋が良い例である。雪の降りしきる中での試合はやる側も見る側も大変である。その他、春が区切りとなる日本の学校制度を考えると新人選手の受け入れをどのように進めるかなど、クリアすべき課題が山積しているのもまた事実である。
個人的には、ヨーロッパへの移籍が1月になろうと7月になろうと順応出来る選手はきちんと結果を出す事が出来る筈である事、Jリーグのすそ野を広げると言う事を考えると、現段階での秋春制移行にはあまりメリットを感じないのだが・・・。
先日、ある新聞のWeb版にヨーロッパで数少ない春秋制を採用しているロシアのサッカー関係者のコメントが掲載されていた。とても興味深い言葉である。
(ロシア協会の専務理事)
「シーズンが変わらないことがレベルに影響を与える訳ではない。」
(スパルタク・モスクワの広報担当者)
「自分たちの生活に合わせたやり方をとるべきだ。」
昨日のナビスコカップ予選の山形×京都の試合のダイジェストを見ていて、上にも書いた通り「今のところ、日本にはやはり春秋制の方が合っているのでは・・・」と思った。
秋春制に関する議論は、取り敢えず継続して検討される事となっているが果たしてどのような結論が導き出されるのだろうか。
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