2着には最後方から追い込んできた14番人気のアドマイヤモナークが入り枠連、馬連で万馬券が飛び出すなど、今年の世相を象徴するかのような波乱の結果となった。
一方、このレースが引退レースとなったメイショウサムソンは最後の直線で失速し8着に敗れ有終の美を飾る事は出来なかった。
【第53回有馬記念競走成績】
1着 ○ダイワスカーレット 牝4 安藤勝 2分31秒5
2着 アドマイヤモナーク 牡7 川 田
3着 エアシェイディ 牡7 後 藤
4着 ドリームジャーニー 牡4 池 添
5着 △スクリーンヒーロー 牡4 デムーロ
<コメント>
土曜日(27日)に予想記事を書く前に、YouTubeでオグリキャップとトウカイテイオーのラストランを何度も見た。それを見てしまった事と、ここ数年有馬記念では人々を泣かせるようなドラマが無かった事もあり、情に流されてメイショウサムソンに◎印を打った。
しかし勝負事は情に流されてはいけないと言う事をダイワスカーレットから教わったレース結果だった。強いのは分かっていたが、あれほどまでに完璧な勝ち方をするとは・・・。改めてその強さに脱帽した。
先行逃げ切り型のスカーレットにとって外枠は有利とは言えない。しかしそんな事はこの馬に関係なかった。好スタートを切るとすぐにマイボジションを確保し、天皇賞の時と同じくハイラップを刻むと最後の直線に入る直前ですぐ後方から彼女を捕えに掛かったメイショウサムソンらを難無く振り切ると、2着争いに凌ぎを削る他の馬を尻目に颯爽とゴールを駆け抜けた。影すら踏ませぬまさに完勝だった。これでGTレース4勝目。そして連対率100%も更新、更にはハイペースを作り出し追い込み馬の強襲による波乱を演出するオマケまでつけた。強い牝馬を「女傑」と言う事があるが、この馬を形容する言葉は存在しないのではないだろうか。
かつてイギリスのサッチャー首相は、自ら掲げた政策を強引に推し進める強硬的な態度から「鉄の女」と呼ばれていた。一度先頭に立ったら譲らない強硬な走りは、その態度とダブるような気がするが、「鉄」は風雨に晒されいつか錆びて行く。しかしこの馬の走りには錆びる事のない、プラチナのような強さを改めて感じた。来年は海外へ遠征すると言う話が出ている。既にドバイ遠征を表明しているライバルのウオッカ共々、同期の牝馬の動向から目が離せない。
一方、このレースでターフを去る本紙本命のメイショウサムソン。騎乗した武豊騎手は、馬の底力と奇跡を信じたのだろう、オグリキャップのラストランの時と同様、最後のコーナーで前を行くダイワスカーレットに迫ろうとしたが、引退を控えた馬にその余力は残っておらず、奇跡を起こす事は出来なかった。最後を飾れなかった同馬だが、クラシック2冠を含むGT4勝は、名馬と呼ぶに相応しい成績である。今後は種牡馬として第2、第3のサムソンを輩出して欲しい。
牝馬の活躍が目立った今年の中央競馬。グランプリレースはそれを象徴するような結果となった。「牝高牡低」の状態は果たしていつまで続くのだろうか。


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