自動車のF1シリーズに参戦しているホンダは5日、同シリーズからの撤退を発表した。世界的な金融危機を背景に、自動車事業の販売が低迷。年間500億円を超すというF1関連経費も重荷となり、撤退を決めた。
ホンダは今季、フル参戦して10チーム中9位。第9戦、英国グランプリ(GP)でルーベンス・バリケロ(ブラジル)が3位に入ったのが最高だった。
シーズン終了後には、故アイルトン・セナのおいで、F1の下部シリーズで今季2勝を挙げたブルーノ・セナ(ブラジル)を来季の正ドライバー候補としてテストし、話題を集めていた。
<コメント>
当ブログを開設したのが2006年1月。間もなく3年が経とうとしているが、モータースポーツに関する記事を書くのは今回が恐らく初めての事である。
サブプライムローン問題に単を発した世界的な不況は、日本のスポーツの世界にも暗い影を落としている。プロ野球界ではジャイアンツの上原投手やドラゴンズの川上投手など海の向うを目指している選手の契約が頓挫しており、恐らくメジャーのどこかのチームと契約出来たとしても、松坂投手が渡った時のように年俸が青天井と言う訳にはいかないだろう。松坂投手でも今であれば、このご時世を考えると1億ドルと言う天文学的数字は出なかったのかも知れない。また、サッカー界では中村俊輔選手も、移籍金の問題で1月の横浜FM復帰の可能性は殆ど無いと言われている。くしくもこちらの親会社も今回のホンダ同様、自動車会社である。
その日本が世界に誇る「HONDA」がF1からの撤退を決めた。ホンダと言えばエンジンを供給していた1980年代〜90年代初めにかけて、F1の世界で栄華を極めた事を知っている人も多いだろう。特にアラン・プロスト、アイルトン・セナと言った超一流のドライバーを擁し無敵だった時代もあった。また、日本でのF1ブームはちょうどこの頃がピークだったように思う。小生も毎週深夜、眠い目を擦りながらフジテレビのF1中継を見ていた事を覚えている。ホンダがエンジン供給から退いた後になるが、イモラで起きた悲劇もチャンネルを合わせていた。
2006年に全て自社製品を用いて復帰を果たしたホンダだったが、栄光の時代のような成績を残す事は出来ず本業の業績不振も重なって、撤退を余儀なくされた。これ以上「夢」に投資する事は出来ないと言う会社の判断は、残念ではあるが妥当な判断だと思う。
先に撤退したスーパーアグリの代表、鈴木亜久里氏が「こんなお金の掛かるスポーツに首を突っ込まない方が良い。」とコメントしていたが、改めて世界で最もコストが掛かるスポーツだと言う事が認識される恰好となった。
日本が誇る世界の「HONDA」でさえも乗り切る事が出来なかった荒波。もう1つの日本の顔である「TOYOTA」は、この後どうするのだろうか。「日本ブランド」が世界で最もセレブなスポーツであるF1界から再びその姿を消す日は、そう遠い話ではないのかも知れない。
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