サッカーの2010年W杯南アフリカ大会アジア地区最終予選が15日、各地で行われた。
この内、ホームにウズベキスタンを迎えた日本は、前半相手の出足鋭いディフェンスや高さに苦しみ、27分に相手のFWシャツキフにゴールを割られ先制点を許した。しかし40分に中村からのクロスを大久保と玉田のコンビでゴールに押し込み同点に追いついた。
後半に入り主導権を握った日本だったが追加点を奪えず、結局1−1のドローに終わり、最終予選のホーム開幕戦を白星で飾る事は出来なかった。
この他、日本と同じグループAのオーストラリア×カタールは4−0でオーストラリアが勝利を収めた。この結果、暫定の順位でオーストラリアが勝ち点6でトップ、次いで日本、カタール(共に勝ち点4)の順となっている。
一方、グループBではイランが北朝鮮を、韓国がUAEをそれぞれ下した。
日本代表は11月19日、アウエーでカタールと対戦する。
【グループA試合結果】 日 本(4) 1−1 ウズベキスタン(1)
(得点者)
前27分 シャツキフ
前40分 玉 田
オーストラリア(6) 4−0 カタール(4)
カタール、ウズベキスタンが3試合消化。その他は2試合。試合のなかったバーレーンの勝ち点は1。
【グループB試合結果】 イラン(4) 2−1 北朝鮮(4)
韓 国(4) 4−1 UAE(0)
北朝鮮とUAEが3試合消化。その他のチームは2試合。試合のなかったサウジアラビアの勝ち点は4。
何れも左側がホーム。カッコ内の数字は勝ち点
<コメント> W杯最終予選のホーム開幕戦となるウズベキスタンとの試合。最近、人気が下降ぎみの代表戦だが昨日(15日)は、多くのサポーターがスタジアムに足を運び満員となった。相手のウズベキスタンは最終予選ここまで勝ち点0。勝ち点3を取って、勢いを加速させたい岡田ジャパンだったが、そう簡単に事は運ばなかった。
アウェーのウズベキスタンは引いてくると誰もが予想したが、この試合を落とすと後がない事もあってか、前に出てアグレッシブな動きでボールを取りに来た。特に日本の攻撃のカギを握る中村選手には、反則スレスレの激しいプレッシャーを掛けた。
一方の日本はどうだろう。攻守の切り替えが遅く、相手の出足鋭いプレッシャーを気にしたのかパスの出し手と受け手との連動性もあまり見られず、パスのスピードで相手を翻弄するべく芝を短く刈った効果はなかった。先に点を取って試合を優位に進めるシナリオが、不用意なボールの処理で先制点を失った事で崩れ、後手に回る形となった。それでも前半の内に同点に追いついて後半に逆転の望みを繋いだ。
試合の主導権を握った後半は何度も勝ち越すチャンスを作りながら、勝ち点3を取らなければと言う焦りもあったのか、それをモノにする事が出来なかった。終盤、パワープレーでこじ開けようとしたがそれも出来ず、結局勝ち越す事は出来なかった。
この試合、岡田監督の選手起用も空回りした。ウズベキスタン相手に先に点を取って試合を優位に保った状況で若手に経験を積ませたいと言う思いも少しはあったのだろうか。もしそうだとしたら、白黒はっきりしない2戦目でそれは早過ぎるような気がする。何が起こるか分からないのがW杯予選。巻選手など経験のある選手をベンチに置く必要はなかったのだろうか。特に終盤パワープレーに頼るのならなおさらの事である。闘莉王選手の他にターゲットマンがもう1人いたらと思うと残念でならない。勿論、若手を起用しても経験ある選手を起用してもどっちに転ぶか、その時点では分からないのだが・・・。
不用意なボールの処理、決定力のなさ、そしてベンチワーク。今の日本代表の課題が浮き彫りとなった試合だったように思う。
ところで、ホームで絶対的な強さを誇っていた日本代表が勝利を逃したのは11年前のW杯フランス大会の最終予選、国立競技場での対UAE戦以来である。その時は初戦のウズベキスタン戦以降勝利から見放され、自力でのW杯出場が出来なくなった事で暴徒化したサポーターがイスや卵を投げ付ける騒動になった。またその予選では中央アジア遠征中に監督交代劇もあった。
次の旅先は日本サッカーにとってもう一つの因縁の地、カタール。試合数が多いカタールの上にいる日本にとって、今回引き分けた事が深刻な事態を意味するものではないと思う。しかし、アウェーとは言え次の試合に勝たないと、11年前のあの悪夢が再び訪れる可能性もある。会長は岡田監督と心中するような発言をしているが・・・。
カタールに勝って2位以内を確保し年を越すのか、それともウズベキスタンに引き金を引かれて、因縁の地で沈み、W杯の扉が遠ざかるのか。「中東〜中央アジア〜オセアニアを巡る旅」は早くも正念場。次こそ「絶対に負けられない戦い」なのである。
◎日本とウズベキスタン 1997年に行われたフランスW杯アジア地区最終予選のタシケントでの第5戦。ウズベキスタンに先制され敗色濃厚となった日本は試合終了間際のパワープレーから呂比須が同点ゴールを決め、引き分けに持ち込み首の皮一枚繋がった。この試合が岡田監督の初采配となった試合だった。
また最近では、元日本代表監督のジーコ氏がクルブチの監督に就任し、同時にウズベキスタン代表のアドバイザーにも就任した。
◎ドーハの悲劇 1993年にカタールの首都ドーハで行われたアメリカW杯アジア地区最終予選。前の試合で宿敵韓国に勝ち、首位に立った日本は最終戦のイラクに勝てば初のW杯出場権を獲得するところだった。しかし2−1で迎えたロスタイム、イラクにショートコーナーから同点ゴールを決められ、同時に行われた試合でサウジアラビアと韓国が共に勝った為、W杯出場を逃した。ちなみにその時放送されたNHK衛星放送で、スタジオでのコメンテーターを務めたの現日本代表監督の岡田氏だったと記憶している。

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posted by スポーツ職人 at 22:50| 東京 ☀|
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